メルセデス・ベンツ W205 Cクラスとは
2014年7月に先代型のW204からフルモデルチェンジしたモデルがW205型となります。
W205型は完成されたCクラスとも言われ、過去のモデルの中も最も評価が高いことも特徴です。
販売開始した当初は、2013年10月に革命的なフルモデルチェンジして話題となった、W222型 Sクラスを彷彿させるデザイン・機能性があると大変話題になりました。
W205型は、2018年7月にビッグマイナーチェンジを行い、後期型となりました。
2021年6月に製造終了するまで、根強く人気のモデルとして活躍したW205型。
そんなW205 Cクラスの前期・後期型の違いについて徹底比較してみましょう。
最近話題のベンツのナビSSD化について完全解説した記事もあります。よろしければ同時にご覧ください。
W205 前期・後期型 見た目の違い
まずは、見た目の変化についてみていきましょう。
同グレードで比較をしてみましょう。
まずは、前期型のC200 AMGラインになります。
こちらが後期型のC200 AMGラインになります。
この時点で、画像からわかる情報をまとめさせていただきます。
- ヘッドライト→LED感が強くなったデザインに変更
- グリル→ダイヤモンドグリルに変更
- アルミホイール→サイズは同じ19インチでデザイン変更
- フロントエアロ→メッシュ部にフィンのが2本追加
- フロントエアロ→バンパーサイドにダクトのようなデザインが追加
このような箇所が主な変更点となります。
我々のようなメルセデス・ベンツのプロや、かなり詳しい方であれば、もちろんクルマを見た段階で「このデザインなら後期型だな」や「新しいベンツだな」といったように、違いに気づくかと思います。
しかし、このデザインの変化だけですと、どちらが新型のデザインなのかといったことに気づく方はかなり限られてくるかと思います。
続いて、リアビューを見比べていきましょう。
まずは、前期型のC200 AMGラインです。
続いてこちらが、後期型のC200AMGラインです。
リアビューの変更点をまとめさせていただきます。
- テールランプ→LED点灯部のデザインが、「C」が2重に重なったデザインに変更
※前期型は「C」が上下に2つ並んでいるようなデザイン
以上が見た目の変化になります。
大きく変化したと捉える方も、あまり変化していないと捉える方もいらっしゃるかと思います。
専門店的見解としては、他のクラスと比較すると、今までのマイナーチェンジの中では、そこまで大きく見た目は変化していない印象を感じます。
引き続きその他の部分を比較していきましょう。
W205 前期・後期型 内装の違い
続いて内装を比較していきたいと思います。
画像からわかる変更点をまとめていきたいと思います。
- 純正8.4インチナビ→10.25インチワイドナビに変更(ナビのバージョンも変更)
- ステアリングのデザインが変更→タッチパットも搭載(両手で握った際の親指の位置)
- アンビエントライトのカラーが3色→64色
これだけ見ると、あまり大きな変更点は無いように感じます。
運転席に座った際に受ける印象としては「とても新しくなったなぁ」と感じるのですが、
実際にはこの程度の変更点だったのかと、記事を執筆しながら再確認しました。
W205 前期・後期型 パワートレインの違い
次に、W205 前期・後期型のパワートレインについて比べてみましょう。
パワートレインというのは、動力源のことです。
ここでは、エンジンとミッションについて触れていきたいと思います。
まずは、表にてスペックを比べてみましょう。
【前期】C180 | 【後期】C180 | 【前期】C200 | 【後期】C200 | |
エンジン | DOHC 直4ターボ | DOHC 直4ターボ | DOHC 直4ターボ | DOHC 直4ターボ+モーター |
ミッション | 7速AT | 9速AT | 7速AT | 9速AT |
排気量 | 1,600cc | 1,600cc | 2,000cc | 1,500cc |
最高出力 | 156ps | 156ps | 184ps | 184ps |
最大トルク | 25.5kg・m | 25.5kg・m | 30.6kg・m | 28.6kg・m |
使用燃料 | ハイオクガソリン | ハイオクガソリン | ハイオクガソリン | ハイオクガソリン |
燃費 | 17.3km/ℓ | 12.7km/ℓ | 16.5km/ℓ | 12.9km/ℓ |
低排出ガス車認定 | ☆☆☆☆75%低減 | ☆☆☆☆75%低減 | ☆☆☆☆75%低減 | ☆☆☆☆75%低減 |
この表からわかることを何点かピックアップして解説していきましょう。
W205 後期型 燃費について
この表をみて真っ先に気づくことは「後期型になると燃費が悪くなる!?」
といったことなのですが、前期型と後期型では燃費計測方法が異なるため、数値にも違いが生じています。
具体的には、JC08モードとWLTCモードの違いになります。2018年9月以降はWLTCモードでの計測を行っており、かんたんに違いを説明すると、「より普段使いに近い環境でテストしている」のがWLTCモードとなります。
今までの計測環境は、アクセルワークが一定だったり、気温や湿度,エンジンの温度までもが好条件でのテストとなっているため、実燃費よりも高く計測される傾向にありました。
それを改善したものがWLTCとなります。
結論として「後期型になり燃費は悪くなっていない」けど「良くもなっていない」ことがわかりました。
W205後期型 C200 新搭載 BSGエンジン
ここでひとつ結論をお伝えしておくと、
C180に関しては「前期型と後期型のエンジンは同じ」ということです。
しかし、C200に関してはものすごい進化を遂げております。
それが、直噴エンジン+BSGからなる次世代のハイブリッドエンジンのこととなります。
直噴エンジン+BSGとは上記イラストのような設計となります。
「直噴エンジン」に関しては、一旦この場では解説は割愛させていただきます。
こちらが通常のハイブリッドの仕組みです。
通常ハイブリッドは、パワートレインがエンジンとモーターのふたつあり、低速時はモーター、通常走行時はエンジンのように、状況に応じて切り替えをしていくものになります。
対して、BSG搭載モデルは、BSGがエンジンをサポートするものになります。
これにより、どういった違いがあるのかと言いますと、BSGモデルに関しては、エンジンとモーター間の切り替えがありません。
そのため、とにかくスムーズな走り出しかつ、効率的な動力伝達を実現しております。
排気量は2,000cc→1,500ccとサイズダウンしている中で、エンジン+BSG(モーター)となるため、馬力は前期型と同出力をキープしております。
このBSG搭載モデルは、2018年にフルモデルチェンジしたCLSクラスから採用されており、現在も使われているメルセデスベンツの最先端の技術になります。
W205 前期型から後期型へのマイナーチェンジで最も大きな変更点がこのエンジンになります。
後期型をご検討の方は、是非ともC200をお試しください。
7速ATから9速ATへの変更
オートマの多段化が進む中、メルセデス・ベンツにも9速ATが採用されています。
ディーゼルエンジン搭載モデルは、2015年9月から採用。ガソリンエンジン搭載モデルは、2017年2月から採用。
ともに前期型の段階で9速ATの設定がありました。
それまでも7速ATなので、十分過ぎるくらい滑らかなのですが、より滑らかなシフトチェンジが可能になりました。
そもそも、ATの変速数が多いことによるメリットは以下の2点です。
7速ATの時点で十分すぎるくらいの燃費と滑らかさを実現しておりますので、正直9速ATの恩恵を感じることはできませんでした。
先ほどのBSGモデルとは違い、ドライビングフィールによる実感があまりできないというのが結論です。
W205 前期・後期型 安全装備の違い
ベンツの安全装備といえばレーダーセーフティパッケージが代表的です。
そのレーダーセーフティパッケージにおいて、パッケージの内容がW205前期・後期型では異なります。
実際に比較していきましょう。
これらの各装備の内容を、徹底解説した記事もございますのでご覧ください。
ここから、後期型になるとこのように追加(変更)されます。
レーダーセーフティパッケージを搭載するために必要な費用として、およそ20万円程となります。
前期・後期型共にほぼ同価格なのですが、パッケージ内容の項目が多くなっており、非常に充実していることがわかりますね。
では、前期型のレーダーセーフティパッケージの内容が乏しいのかというと、一切そのようなことはなく、むしろ十分すぎるくらいの機能が備わっています。
後期型になると、さらにこれらをブラッシュアップし、痒い所に手が届くような機能も追加されているといった印象です。
レーダーセーフティパッケージが搭載されていることで、事故の88.5%を未然に防ぐことができると言われています。
中古車市場でも、搭載車両と非搭載車両では価格が10万円ほど差がついてきますが、できるだけ搭載車両を狙うようにしましょう。
W205 前期・後期型 価格の違い
ここまで、W205 前期型と後期型を比較してきましたが、最後は重要な価格の部分となります。
もちろん、後期型の方が物が良いのは当然なのですが、実際にはおいくらくらいから買えるの?
といったことを解説していきます。
後期型に関して、2018年7月~のモデルは製造されている期間が短く、流通台数が極端に少なくなっています。
その関係で、2018年の後期型を探すのは難しくなっております。
ざっとまとめてみましたが、こちらはあくまでカーセンサーの支払総額の「基本プラン」になります。
乗り出しに必要な費用として、
- 諸費用
- 法定費用
- 整備代金
が主に必要になります。この中で支払い総額に含まれているのが、諸費用と法定費用になります。
あくまで目安にはなりますが、メルセデスベンツの場合は、車両本体価格に25~30万円程度で乗り出し価格になるといった感覚でいると良いでしょう。
整備代金に関しては、内容を明記せずに一律で100,000円程度の整備代金をもらい「当社おまかせの納車整備」のような謳い文句の販売店もありますが、そういった販売店ではなく、「○○円で○○と○○~○○を交換しますよ」のような、整備をする箇所が明確な販売店で購入をすることをオススメします。
前者のような販売店ですと、結果的に整備代金相当の整備をしてもらえることは少なく、いわゆる販売店の利益になることがほとんどです。
そうなると、後出しじゃんけんのように、支払った整備代金は諸費用のように車両総額に吸収されてしまうため、あまり良い買い方ではありません。
出来れば必要な消耗品がパッケージ化されていて、乗り出し時にリフレッシュできるような買い方ができ、それらの交換金額が明確な販売店で購入をするようにしましょう。
まとめ
ここまでご覧いただきいかがでしたでしょうか。
最後にかんたんにまとめさせていただきます。
日本でもトップクラスにW205 Cクラスの前期・後期型を徹底比較させていただきました。
実際に10,000台近くものメルセデス・ベンツを取り扱ってきたメルセデス専門店だからこそわかる、
当社でも、W205型はメインで取り扱っており、今まで1,000台以上の取り扱いがございます。
カタログだけで調べたような知識とは違う詳細部分をお届けできたのではないかと思います。
実際のユーザー様の声や、スタッフたちの声も取り入れ作成させていただきました。
購入をご検討されていらっしゃる方は参考にしていただければ幸いです。
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